#019 ベースが歌うことを教えてくれたベーシスト、ピノ・パラディーノ。けど、いや、案の定と言うべきか、それだけではなかったピノ氏の奥行き。

1983年ポール・ヤング(Paul Young)の『Wherever I Lay My Hat (That's My Home)』(原曲はマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye))。この曲を聴いた時は、とてもびっくりした。いきなりコーラスのかかったベースのメロディから入る。で、音色からしてフレットレスだし。一体誰が弾いてるのか当時は全くわからなかった。

1985年に、ホール・アンド・オーツ(Daryl Hall & John Oates)の『Everytime You Go Away』をカバーしたのがヒットして、これまた、とんでもなく歌いまくるフレットレス・ベースにびっくり。
時は経って、1993年のベース・マガジンの1月号で、これらのベース・プレイがピノ・パラディーノ(Pino Palladino)だと知ることができたと記憶している。

ちなみに、『Everytime You Go Away』のベース・プレイは名演の一つなのだろう(私はそう思う)、よくコピーされている。Marta Altesaちゃんのがわかりやすいカバーかと思う。

それから90年代にかけては、様々なビッグネームとのセッションにひっぱりだこだった模様。大体はポップスというカテゴリーで生きてくるベースかなと思っていたら、2000年のディアンジェロ(D'Angelo)の『Voodoo』に参加してた!LIVEにも参加していた模様で、その動画は以下です。

まさかのネオ・ソウル。どれがきっかけなのかわからないけど、他にもエリカ・バドゥの作品にも参加している模様。当初の印象とはえらく違うけど、重いグルーヴもバッチリなのはスゴイ。『Voodoo』の次のアルバム『Black Messiah』では、楽器隊みながレイドバックしまくりの異様な空間が展開していて、むちゃくちゃ面白い。ディアンジェロに関しては詳しくないので、これから追っかけたいと思う。どうしたら、こういう発想が生まれるのだろうか。


アルゼンチン出身のギタリスト、ドミニク・ミラー(Dominic Miller)とのセッションは、では、速いパッセージを難なくとこなしており、その指向性の幅の広さには圧倒される。演奏の前半で親指と人差し指(しかしたら中指も)を使って、ミュートするでなく演奏しているのはちょっとユニーク。もちろん、彼の特徴的なダブルストップも耳にすることができる。


他では、定番になっているジョン・メイヤーとの3ピース・セッションも有名だし、優れたミュージシャンは本当にどこにでも現れますね。笑

最後に、グレッチェン・パーラト(Gretchen Parlato)が、ハービー・ハンコックの『Butterfly』に歌詞を付けた演奏が好きなので以下に。この動画では、ベースはピノさんだけど、なんとスキャットとほんの少しベースを弾くミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)がいる。なんとも贅沢な絵面で眼福だ〜

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