#014 好きなボーカリストの声質に、ある一定の指標があるのだが、なかなかそれを言語化できない。

好きな声質はある。声質に反応して好きになったミュージシャンもいたと思う。けど、それらを説明するのが難しい。ということで今回は、この点に関して何らかの方向性が見えてきたら良いかな、という軽い気持ちで書いてみようと思う。

まず最初に、デフ・レパード(Def Leppard)の3枚目のアルバム『Pyromania』に収録されている『Rock ! Rock ! Till You Drop』がわかりやすい。ジョー・エリオット(Joe Elliott)の声、どうでしょうか。この曲では、ハードロックとして強調した歌いっぷりなので、高域の歪み具合がわかりやすく出ていて、好きな声。『Foolin'』や『Photograph』のAメロなどでは、ちょいと鼻にかかった声だけど、サビに入ると特徴的な歪む感じも合わさって、ドライブ感が出てカッコイイ。

※『Photograph』


このアルバムの翌年にドラムのリック・アレン(Rick Allen)が左腕切断してしまった大事故があったためか、次のアルバム『Hysteria』ではぐっと円熟したような印象が、その歌声にも垣間見える。これはこれで魅力的だったので、好きなアルバムでもある。


次は、シンデレラ(Cinderella)の『The More Things Change』。トム・キーファー(Tom Keifer)の、こめかみの血管切れそうなくらい振り絞ってるような声。好き。ずっと歪みがかかってるって言うのかしら。エフェクターで言うと、オーバー・ドライブよりファズって印象。アクセル・ローズ(Axl Rose)と同系統かもしれない。アクセルの方が低域抑え目でシャープネス強い感じだろうか。

※ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)『Welcome to the jungle』。


そして、外せないのがサミー・ヘイガー(Sammy Hagar)。ハイノートでの鋭さは別格。ロックらしいがなり感があるように思えるけど、そうじゃない。なんと言えばいいんだろうか。ロック声?ロックにジャストな声であることは間違いない。ヴァン・ヘイレン(Van Halen)在籍していた頃も好きだったなぁ。全体として、キレが良くて、ぐいぐいバンドを引っ張っていく牽引力がある。キャリアも長いが、衰えを全く感じないパワーがロックな漢の証。

しかし、この動画、チキンフット(Chickenfoot)『Highway Star』でも、相変わらずマイケル・アンソニー(Michael Anthony)のコーラスは素晴らしい。

※『Footloose』収録の『The Girl Gets Around』。


最後に、スティーヴ・ペリー(Steve Perry)。特にジャーニー(Journey)の『Lights』。程よいハスキーさ、広がりを感じさせる高音の伸び。そして、R&Bを感じさせる心地よいフェイクも加わって、ダントツに優れた、ボーカリストになるために生まれてきた人。暖色な面もある声なので、声に含まれる倍音のバランスが、単にソリッドなのではなく、凹凸さが絶妙なんだろう。

※『Don't Stop Believin'』


以上、歪み、ハスキー、スモーキー、この辺りが嗜好の一辺なのかもしれないラインナップとなりました。まだ他にも好きな声の方いらっしゃるので、またの機会に。



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